埼玉県志木市 T様
お客様のスケッチをもとに製作。
デイベッドの様な使い方も想定して座面奥行きは広めの600mm
昼寝をしたら気持ち良さそうです。
私たちが木組みに拘る理由
無垢の木は家具に姿をかえてからも湿度や温度等、環境の変化により
反ったり捻れたり伸縮を繰り返します。
その動きは徐々に小さくはなりますがゼロになることはありません。
幅の広いものはその分、動きも大きくなります。
例えば、板と脚をつなぐ場合、ビス等で無理に固定してしまうと、
板の伸縮に耐えきれず割れてしまったり(同じ木でも縦方向と幅方向の伸縮率が違う為)
板の反りを抑えきれずにビスが抜けたり折れてしまうこともあります。
そのため無垢材で家具を作るには木の伸縮を妨げず
木の動きを抑える様に、それぞれに適した技法で
木と木を組み作るのが理想だと考えます。
そのため工房では座板の反り止めには
下の写真の様に板の幅方向に台形の溝を突き角材を送り込み
木の伸縮に追従しつつ反りを最小限に抑える 吸付き蟻桟 を用いています。
また、その4本の桟の両端をベンチのフレームの一部として蟻継で組むことで
座板がフレームの開きや捻れを抑えベンチ全体の強度にも一役かっています。
見えないところこそ丁寧な仕事を、万一不具合があっても修理できる様に作るというのも
私たちの考える伝統技法、木組みの家具の特徴です。